吹奏楽の・おと♪

観た・聴いた吹奏楽の演奏会ネタを不定期に

アンサンブルキャトルヴァン&渋谷乗泉寺吹奏楽団  2019年7月13日

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アンサンブルキャトルヴァン&渋谷乗泉寺吹奏楽
Landscape Concert 2019

日時:2019年7月13日(土) 13時00分開場、13時30分開演

会場:渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール

曲目:

<1部>

  • スターパズルマーチ(小長谷宗一)[1993年]
  • ジュビラーテ(ロバート・ジェイガー)[1978年]
  • ランドスケイプ 吹奏楽のために(池辺晋一郎)[1990年]
  • 吹奏楽のための「風の舞」(福田洋介)[2004年]
  • 吹奏楽のための民謡「うちなーのてぃだ」(長野雄行)[2010年]

<2部>ナリーヌのサマーランドスケープ

<3部>

<アンコール>

演奏会当日の朝にネットで発見。最初は乗泉寺吹奏楽団のコンサートかと思ったら、アンサンブルキャトルヴァンとの合同演奏会とのこと。2団体合わせて演奏会が開催できる規模(30数人)のようで、奏者不足でかなり苦労している模様。Clが全員男性というのは珍しいかも。(もっとも、全体でも女性10人ほどと少数)

会場は渋谷駅から桜ヶ丘方面徒歩数分のところにある、735人収容のホール。壁・床ともダークブラウンの木目調。客席同様にステージ上まで4階分吹抜け相当の高い天井。渋谷駅すぐ近くにこんな落ち着いた空間があったこと、知らなかった・・・

入口で配布されたプログラムは、夏の絵葉書2枚組(合同演奏という意味合い)をモチーフにした独特の構成。ただ個人的には指揮者の紹介くらいは掲載してあっても良かったかなと。

第1部は、吹奏楽の「夏の風物詩」ともいえるコンクール課題曲特集。夏というテーマで課題曲というのは初めてだが、言われて見れば課題曲演奏の本番は夏休み(以降に続く団体もあるけど)。ごく当たり前過ぎて気づいていなかったという。しかしナレーションを挟みながらとはいえ、5曲も演奏となると奏者の側は大変そう。聴く側はとても楽しいのだが。

ジェイガー作曲の課題曲を聴くのは初めて(ジェイガー作品は自由曲で演奏経験あり)。演奏会タイトルでもあるランドスケイプは、自分では演奏していないものの’90年当時を強く思い出す曲。(ちなみにその年の乗泉寺吹奏楽団、ランドスケイプではなくカタロニアの栄光で全国大会出場)

第2部は、ステージ左側に設置された「渋谷サーフFM 7.13MHz」のスタジオから公開生放送で、司会者扮するナリーヌがリスナーのリクエストに応え、夏をテーマにした曲をかけていくという設定。
「スタジオ」からリスナー(演奏者の1人)に生電話でクイズを出したり、スタジオから客席に降りて観客にリクエストを求めたりとか(という形式の強引な誘導)

ナリーヌが女性観客に夏の曲のリクエストを求めたときの
「赤い?」→「スイートピー
「ピンクの?」→「モーツァルト
「青い?」→「イナズマ」
まるで仕込みのようなやりとりというかボケというか、本日会場内で一番の盛り上がり。

第3部は、がっちりと吹奏楽オリジナル曲2本。The Seventh Night of July(たなばた)は6月に続いて2回目だが、この時は会場入りが遅くなりロビーのモニター鑑賞。今回は客席で落ち着いて。
ラストのマードック~では、司会のタイタニック号事故のナレーションで情景を浮かばせてからの演奏がしっかり噛み合った好例。

アンコールも1曲目は夏モノの続き、ラストでは、終盤2拍起きに次々と奏者が立ち上がり、最後に全員ベルアップでエンディング。

第1部と第2部で、全く違う切り口から夏の歴史を振り返りそれぞれ完結するという、演奏会を2度聴きに行ったかのようなお得感(?)しっかりと「魅せる」企画演出と演奏が組み合った、目と耳と記憶に残る演奏会。最初はイマイチ意味不明だった事前宣伝用の黄色いチラシも、終了後に見返して「なるほどこういうことだったのか!」とやっと理解。
ひとつ残念なのは、客席の埋まり具合が半分程度だったこと。ここはもっと多くの人に聴いてほしい!率直に思いました。